2015 November 20真4Fと神話世界への旅
塩田信之の真4Fと神話世界への旅
第5回 メデューサとギリシア神話
メデューサは、古代ギリシアよりもずっと昔にギリシアのいち地方で信仰されていた地母神だったものが、後にギリシア人と呼ばれる人々がやってきた際に怪物にされてしまったという考え方が現在では有力とされています。ガイア=ポントス系統の怪物たちの中には、他にも同じような立場で怪物化されたものがいるようです。
そんな経緯があるためか、メデューサにも地母神としての性質が色濃く残っていて、ペルセウスに倒された際には血液から翼を持つ天馬ペガサスが生まれています。メデューサには海神ポセイドンの愛人という側面もあって、ペルセウスに倒されたときはポセイドンの子としてペガサスやクリューサオールという怪物を身ごもっていたともされます。ポセイドンの愛人だったメデューサは絶世の美女だったのですが、その美しさを鼻にかけたり、ポセイドンとの情事をアテナ神殿で行っていたことからアテナと対立し怪物に変身させられてしまったことになっています。
ギリシア神話の神によって怪物に変えられた上、英雄たちが現れると退治されてしまうというのは元が地母神であったならなおさら悲劇の存在と思えてきますが、これも神話に反映された歴史の面白さと言えるでしょう。メガテンシリーズにおけるメデューサは、ファミコン時代(および『旧約・女神転生』)にボスキャラとして登場して以来久しぶりに『真・女神転生IV』で再登場して主人公たちに倒された経緯がありますが、『真・女神転生IV FINAL』で多神教勢力に与する形で復活します。ボスキャラであっても立場が弱そうなところは変わらなさそうですが、こんな神話・歴史的背景を思い浮かべながらゲームの中で再会できれば、活躍がより楽しみになるかもしれませんね。
さて次回ですが、「ミロクと仏教の救済思想」の予定です。お楽しみに。
そんな経緯があるためか、メデューサにも地母神としての性質が色濃く残っていて、ペルセウスに倒された際には血液から翼を持つ天馬ペガサスが生まれています。メデューサには海神ポセイドンの愛人という側面もあって、ペルセウスに倒されたときはポセイドンの子としてペガサスやクリューサオールという怪物を身ごもっていたともされます。ポセイドンの愛人だったメデューサは絶世の美女だったのですが、その美しさを鼻にかけたり、ポセイドンとの情事をアテナ神殿で行っていたことからアテナと対立し怪物に変身させられてしまったことになっています。
ギリシア神話の神によって怪物に変えられた上、英雄たちが現れると退治されてしまうというのは元が地母神であったならなおさら悲劇の存在と思えてきますが、これも神話に反映された歴史の面白さと言えるでしょう。メガテンシリーズにおけるメデューサは、ファミコン時代(および『旧約・女神転生』)にボスキャラとして登場して以来久しぶりに『真・女神転生IV』で再登場して主人公たちに倒された経緯がありますが、『真・女神転生IV FINAL』で多神教勢力に与する形で復活します。ボスキャラであっても立場が弱そうなところは変わらなさそうですが、こんな神話・歴史的背景を思い浮かべながらゲームの中で再会できれば、活躍がより楽しみになるかもしれませんね。
さて次回ですが、「ミロクと仏教の救済思想」の予定です。お楽しみに。
塩田信之(NOBUYUKI SHIODA)
故成沢大輔氏と共に「CB’s PROJECT」を立ち上げ、『真・女神転生のすべて』『デビルサマナー ソウルハッカーズのすべて』など、これまで数多くのメガテン関連の攻略本やファンブックに携わってきたフリーライター。近著は『真・女神転生IV ワールドアナライズ』(一迅社)。
※ゲームに関する記述は取材と開発スタッフによる監修に基づいています。歴史・宗教観については諸説あり、ライター個人の解釈に基づいています。